福岡・佐賀の税理士法人アーク・パートナーズのブログです。
国税庁の質疑応答事例に太陽光発電設備による売電収入の所得区分が出ております。以下のようなものです(国税庁HP)。
【照会】
賃貸アパートの屋上に太陽光発電設備を設置し、その余剰電力を固定価格買取制度に基づき電力会社に売却しているが、この余剰電力の売却収入の所得区分は何か。
【回答】
賃貸アパートの共用部分で使用する電気料金は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるものです。一方、照会の太陽光発電設備により発電された電力は、賃貸アパートの共用部分に使用されるため、太陽光発電設備を設置することにより共用部分の電気料金は減少し、その分不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される金額も減少することになります。このように、太陽光発電設備による発電が不動産所得の金額について増減させるものであることを踏まえると、その余剰電力の売却収入も不動産所得に係る収入金額に算入し、その所得金額を計算するのが相当と解されます。
これ、どちらでもいいではないかとお思いかもしれませんが、この照会には裏があります。この質疑応答事例にはなお書きがありまして、それが本件照会の本当の理由です。以下のように記載されています。
【回答なお書き】
なお、エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除(租税特別措置法第10条の2の2)は、事業所得の金額又は事業所得の金額に係る所得税額の計算における特例ですので、不動産所得を生ずべき資産である賃貸アパートに太陽光発電設備を設置し、その業務(事業)の用に供している場合には、これらの特例の適用を受けることはできません。
つまり、不動産オーナが太陽光発電設備を設置しても特別償却や特別控除の特例は使えません。うーむ、なんて日だ!!
国のエネルギー政策を転換していこうという時期にしては、ナンセンスな解釈だと思いませんか?