福岡、佐賀の税理士法人アーク・パートナーズのブログです。
贈与を受けた年に贈与者が死亡したときの相続税と贈与税の取り扱いはどのようになるのでしょうか。
例えとして、
・Aは父であるXから贈与により1000万円もらい、Aの弟であるBは同じくXから贈与により1000万円もらい、その年にXが死亡。
・AはXの財産を1億円相続し、BはXの死亡につき相続を放棄し、財産を取得していない。
・AB共にこの年に他の財産を相続や贈与により取得していない
このケースにつき考えます。
AとBは相続税と贈与税のどちらの申告が必要になるのでしょうか。
結論から申しますと、Aは相続税を申告、贈与税は申告不要(贈与税の課税価格ゼロ)。Bは贈与税を申告することになります。
Aは相続により取得した財産に贈与財産を加算して相続税を申告しますが、贈与税に関しては「相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始の年に、被相続人から贈与により取得した財産については、贈与税は課税しない」ため、申告は必要ありません。
一方で、Bは相続または遺贈により被相続人から財産を取得していないため、贈与税の非課税の適用はありません。
また、贈与財産も110万円を超えているため、贈与税の申告が必要になります。
贈与税は相続税の補完税としての性格を有しているため、このような規定が設けられています。