福岡・佐賀の税理士法人アーク・パートナーズのブログです。
個人事業の場合、日常で使用していた車やパソコンなどを事業開始を機に、業務用として使用することがあるかと思います。この場合には、業務用に転用した時点での価額を基礎に減価償却を行うことによって、経費化することが可能です。ではその計算方法はどのようなものでしょうか。
減価償却費を計算するには以下の数値が必要となります。
①取得価額
②転用時の未償却残高
③耐用年数
まず、①については、当初購入時の金額です。③は資産毎に定められておりますので、耐用年数表を見ながら決めていきます(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 )。
最後に未償却残高ですが、これが少し難解です。当初の取得価額に、その資産の耐用年数に1.5を乗じて計算した年数により旧定額法の方法で計算した金額を基に、その資産を取得した日から業務の用に供した日までの期間に係る年数を乗じた金額を取得価額から控除した金額となります。
つまり、業務用ではなかった期間については、業務用で使用した場合に比べ減価のスピードが遅いとの仮定の上で、通常の耐用年数の1.5倍の金額により、当初の取得日から事業用に転用する日までの期間の減価償却費を計算し、その金額を取得価額から控除することによって未償却残高を計算するということになります。
この規定のおかげで事業の必要経費と成り得る減価償却費の額は大きくなりますので、個人事業主には有利な規定です。減価償却費は過去のキャッシュアウトが現在の必要経費となるための、漏れなく有効利用していきたいものです。